大阪府貝塚市:3つのホールを持つコスモスシアター コラム『音響反射板』

HOME > コラム&レポート >音響反射板
知ってる?用語シリーズ

ホームページ内で記載の「知ってる人は知っている」ちょっとした専門用語を解説

(2)『音響反射板(反響板)』


コスモスシアターの大ホールには『走行式門型音響反射板』が、中ホールには『吊式音響反射板』が設置されている。
今回は、音響反射板の役割と、大ホールの『走行式』の機構をご紹介しよう。
  • 大ホール:走行式門型音響反射板
    大ホール:走行式門型音響反射板
  • 中ホール:吊式音響反射板
    中ホール:吊式音響反射板

アコースティックの音を豊かに響かせる

舞台上で発生した音は、壁面を幾何学的に反射しながら観客に伝わっていく。客席の壁や天井の形・凹凸は、こうしたホール内の音の反響(反響音伝達経路)を計算し、 舞台での音をより豊かに響かせ、ホールの隅々のまでできるだけ均一に届けるよう設計されている。
『音響反射板(反響版)』は、舞台上方・後方・側方に抜けてしまう音を効率的に客席へはね返すための壁(板)で、 電気的な増幅なしに演奏するクラシック音楽や吹奏楽、生声で歌う声楽などの音を客席側へ響かせる役割がある。

演奏者にも必要な音響反射板

音響反射板は、観客はもちろんアコースティック音楽の演奏者にとっても欠かせない。
第一に、演奏者が自分の音を聞き取りやすくなる。更に、複数で゙演奏する際にお互いの音が良く聞こえ、相互のアンサンブルが取りやすくなる。 指揮者にとっても、演奏者の音の聞きやすさはとても重要だ。
電気楽器のコンサートで、舞台の前側に四角い物体が置かれているのを見たことがあるだろう。これは演奏者に必要な音を聞かせるためのスピーカーで、はね返りスピーカーやモニタースピーカーなどと呼ばれている。
アコースティック、電気楽器に関わらず、自分や共演者の演奏の音を聞くことは、演奏者の集中や演奏の出来栄にも大きく影響するのだ。

多目的ホールの音響に欠かせない可動式音響反射板

クラシック音楽専門のコンサートホールでは、舞台の壁や天井自体が音響反射板の役割を果たすよう設計されており『固定式音響反射板』と呼ばれている。
しかし、コスモスシアターのような多目的ホールの舞台は、様々なニーズに対応できるよう作られているため、固定した壁や天井で舞台を囲うわけにはいかない。
舞台袖の広い空間には様々な機器や備品が置かれ、天井も高く吊り物のバーなどがある……こうした舞台環境では、電気的な増幅のない音は拡散・吸収されてしまい、ホールの客席に響かすことができない。
そこで必要になるのが可動式の音響反射板。
可動式音響反射板には『吊式』『走行式』『折畳式』など舞台の設計条件に応じて様々なスタイルがある。いずれも固定で常設されたものではなく、必要に応じて収納された板(壁)を設置する方式だ。

大ホール『走行式門型音響反射板』



『門型音響反射板』の特徴は、天井面・側面・正面のパーツを組み合わせるのではなく、門型のフレームになっていること。
隙間が少ないため反射性能が高く、固定式音響反射板を設置したコンサートホールに近い音響を実現することができる。
ヴィオラ奏者であるコスモスシアターアートディレクタ−の西川修助氏によると「門型音響反射板は演奏者にとっても音に包み込まれるような安心感がある」そうだ。

大ホール『走行式門型音響反射板』の機構

大ホールの『走行式門型音響反射板』は、前・後に分かれた門型の反射板を舞台奥に入れ子のように収納する。
『走行式』とは、舞台上のレールを自走させて設置する方式のこと。 ゆっくりと舞台奥に移動し、舞台上に現れたレールに板で蓋をしていく。
大ホールの舞台の両端に各2本、少し色が違って見える部分があるが、その下にレールが隠されている。
  • 収納開始
  • レールに蓋をする
  • レールを転がる車輪
  • 収納進行中
  • 入れ子状態に
  • 収納完了

ページトップに戻る

おすすめ記事Pick Up

【大ホール】残響可変装置で残響時間を調整。録音に真価を発揮。
【中ホール】変幻自在!多目的に対応する舞台機構
コスモスオリジナルミュージカル Stand By Me 2017 レポート